塩崎元厚労相「引退」で懸念される改革派政治家の「絶滅」 ニュース 2021年06月28日 0 妥協のない政策新人類 官房長官や厚生労働大臣を務めた塩崎恭久衆議院議員が秋にも行われる総選挙に出馬せず、政界を引退する。 霞が関の官僚たちに「政策にうるさい議員」として恐れられた塩崎氏が、「国難真っただ中」とも言えるこのタイミングで永田町を去る影響は大きい。古くから塩崎氏と“共闘”してきた「改革派」の間にも衝撃が広がっている。 塩崎氏が一躍注目されるようになったのは1998年の金融国会。金融機関の不良債権処理を進める金融再生法の成立に活躍した与野党の若手議員のひとりとしてだった。「政策新人類」と呼ばれた面々には塩崎氏のほか石原伸晃氏や渡辺喜美氏、枝野幸男、古川元久氏らと共に名を連ねた。塩崎氏は当時、議員5年生、まだ40代だった。 他の若手議員がその後、政治家として大物になり、「政策」よりも「政局」に軸足を移していく中で、塩崎氏は引退を決めるその日まで「政策人」であり続けた。 政治家の仕事は、最後は「利害調整」なので、政策でも落ちどころをさがし「妥協」するのが常だが、塩崎氏はとことん「正論」にこだわり、自説を譲らなかった。 最後は同僚議員や官僚たちが「根負け」して、塩崎氏の主張が通ったものが少なからずある。それが日本の「仕組み」を大きく変えることにもつながってきた。粘り勝ち、社外取締役導入 その典型例が日本企業への社外取締役の導入である。欧米では一般的になっていた社外取締役を日本にも導入すべきだという声が強まっていた2012年。当時は民主党政権だった。会社法の改正を事実上決めてきた法務省の法制審議会は、ギリギリまで「1人以上の義務付け」を模索したが、経団連や全国銀行協会などが強硬に反対。結局、義務付けを見送った。 これに反発した塩崎氏は、法務省幹部に直談判。「社外取締役を置くことが相当でない理由」を事業報告書に記載することを法案に明記させた。「相当でない理由」ということは、「置かない方が良い理由」ということになり、そんな理由を記載すれば株主総会で株主から突き上げられることは必至だった。 さらに自民党政調会長代理だった塩崎氏は追い討ちをかける。衆議院予算委員会で質問に立ち、谷垣禎一法務大臣に「事実上義務化をしたのに等しいと言えるのではないか」と質問。谷垣氏から「事実上の義務化という塩崎議員のそういう評価、十分可能だと思っています」という答弁を引き出したのだ。これで、世の中の流れは決まったと言っていい。 ご承知のようにその後、9割方の企業が社外取締役を導入、今では「当たり前」になっている。日本のコーポレートガバナンス(企業統治)が大きく変わることになったのだ。続く≫≫≫引用:塩崎元厚労相「引退」で懸念される改革派政治家の「絶滅」 PR