地方の定数減、自民直撃 公選法改正、難航必至 衆院選 ニュース 2021年06月26日 0 2020年国勢調査の速報値に基づく衆院小選挙区の定数配分見直しは、自民党を直撃しそうだ。 強い地盤を誇る地方で10減るのに対し、野党も一定の支持を得る都市部で10増となるためだ。定数が減る10県選出議員からは早速、「首都圏集中」への反発が相次ぎ、早ければ来年の通常国会で議論される公職選挙法改正は難航必至だ。 自民党の逢沢一郎選挙制度調査会長は25日、「人口動態は現実として受け止める」としつつ、定数や選挙区割りが定期的に変更されることを念頭に「有権者が(議員を)選びにくくなる問題にも向き合う」と語った。 自民党は17年の前回衆院選で、10県のうち滋賀、岡山、山口の3県で議席を独占。宮城、広島など5県は一つ落としただけだった。一方、定数が25から5増える東京では5人が落選している。党幹部は「調整が大変だ」とこぼす。 党内からは東京一極集中への懸念も漏れる。宮城選出の中堅は、地方の声が国政に届きにくくなるとして「国がおかしくなる。東京ばかり増やしていいのか」と憤った。 野党議員も同様だ。立憲民主党の安住淳国対委員長(宮城5区)は記者団に、地元が東日本大震災で大きな被害を受けたことを挙げ、「過疎地こそ政治の光が必要だ。大変複雑で割り切れない思いだ」と声を落とした。 一方、歓迎する声もある。立民関係者は今回の定数配分の試算について「東京が増えれば勝負になる」と話す。同党幹部も「地方で野党はよほど力がないと勝ち上がれない。都市部が増えてマイナスに作用することはない」と語った。 将来的に定数が一段と都市部に偏在することも予想され、与野党からは10増10減とは異なる手法を探るべきだとの声が出ている。選挙制度改革に長く携わる自民ベテランは「『1票の格差』を2倍未満に抑える方策を考え、政党間で何増何減が適切か議論する」との考えを示した。 もっとも、今回の定数配分の見直しは、与野党協議の行き詰まりを受けて設置された、衆院議長の諮問機関がまとめた答申に基づく。再び与野党で議論を開始すれば、議長が委嘱した委員らによる結論を否定することにつながりかねない。 また、答申が出された当時の安倍晋三首相は国会で、大規模な定数是正を20年国勢調査後に先送りする考えを示しつつ、「アダムズ方式を用いて定数是正を行うという答申が出た以上、当然尊重しながら取りまとめなければならない」と述べていた。責任は減員の対象とされた山口選出の安倍氏にもつきまとう。 その安倍氏は25日、前橋市で記者団に「(首都圏と地方の)バランスを含め、先のことも考えながら議論しなければならない」と述べ、別の方法を模索する考えをにじませた。自民党が10増10減に従うかは不透明だ。引用:地方の定数減、自民直撃 公選法改正、難航必至 衆院選 PR