安倍前首相、監督責任重く 特捜部、直接確認「必要」 ニュース 2020年12月23日 0 安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前夜に主催した夕食会の費用補填(ほてん)を政治資金収支報告書に記載しなかった問題で、東京地検特捜部は安倍氏本人の任意聴取に踏み切った。秘書らの供述から、虚偽報告を受けた安倍氏は補填や不記載を知らなかったとみられ、政治資金規正法違反などの罪に問われる可能性は低い。ただ、自身の事務所内での政治資金が適正に処理されず、国会答弁は事実と異なることも分かった。安倍氏の監督責任は重い。 夕食会は平成25年以降、山口県などの支援者数百人を招き、都内の2つの著名ホテルで行われてきた。会費は1人5千円だったが、ホテル側への支払いは毎年100万円単位で不足し、安倍氏側が補填していた疑いが持たれている。 関係者によると、政治団体「安倍晋三後援会」代表の公設第1秘書や、資金管理団体「晋和会」の会計責任者の私設秘書らは会費の不足分を補填し、収支報告書にも不記載だったことを安倍氏には報告していなかったという。 安倍氏が昨年、国会で「後援会の支出や収入はない」と断言していることからも、補填や不記載を把握していなかった可能性は高い。特捜部には、安倍氏の認識や主張の確認を上申書で済ますという選択肢もあったが、安倍氏本人が告発されていることも踏まえ、直接認識を確認する作業は捜査上不可欠と判断。前政権トップの事情聴取を決断した。 告発側が「十分な捜査が行われていない」として、検察審査会に審査を申し立てるケースも想定しているとみられる。 夕食会の費用総額の見積書や補填分の領収書は、ホテル側から東京の晋和会宛てに発行されていたという。しかし、主催したのは安倍氏の地元・山口の後援会だったことから、特捜部は後援会の収支報告書に補填分を記載すべきだったと認定する見通しだ。 後援会は代表が公設第1秘書で、会計責任者や事務担当者は山口県内のスタッフが務めていた。政治資金規正法では違反があった場合、罪に問われるのは代表と会計責任者、それを補佐する事務担当者としている。安倍氏は法的にも罪を問われる立場にあるとはいえず、事情を把握していない限り、刑事責任を問うのは難しい。 一方、秘書から虚偽報告を受けたのが原因であっても、国会で事実と異なる答弁をしていたとなれば安倍氏に道義上の責任が生じる。国民に対する説明は避けられない状況で、安倍氏も捜査終結後に国会招致に応じる意向を示しているという。 関係者によると、補填分の支払いは、東京の議員会館にある事務所の金庫から現金で支出されていた。金庫の現金の収支は後日、領収書に従って各団体の収支報告書に反映させていたが、補填分についてはホテル発行の領収書を秘書らの判断で廃棄し、いずれの団体にも収支が記載されていなかったという。領収書の宛先となった晋和会は、安倍氏が代表を務める資金管理団体だ。 こうした処理がまかり通る事務所の資金管理にも批判が集まることが予想される。安倍氏は今後、再発防止の仕組みを構築することなども求められる。引用:安倍前首相、監督責任重く 特捜部、直接確認「必要」 PR