忍者ブログ

ツッコミたい・・・ニュース!

独断と偏見でニュースに・・・軽~くツッコミを入れて紹介しています。

静岡市の名産わさび漬 創業160年の老舗が閉店へ

わさび漬け発祥の地である静岡市で、小規模ながら老舗として知られ、根強いファンを持つ「野桜(のざくら)本店」(同市葵区)が今月いっぱいで閉店する。江戸末期、安政5(1858)年の創業から160年。守り続けたのれんを下ろすことになった6代目の野桜行宏さん(46)は「続けたいのに続けられない。経費をまかなう売り上げが確保できない」と肩を落とすが、「会社組織だけは残すので、よい事業継承先が見つかれば『わさび漬の野桜』のブランドだけでも残したい」と存続を模索している。

買取なら【ウリドキ】


 ■市民に愛される味

 静岡市のわさび漬けはお茶やサクラエビと並ぶ特産品であり、市民にとっては常に食卓に上る身近な食品だ。

 市のシンボルである駿府城公園の入り口付近には、「わさび漬発祥の地」の石碑が鎮座する。巨大なワサビと漬物樽を形取ったモニュメントは少々シュールではあるものの、わさび漬けがいかに市民生活に密着しているのかうかがい知ることができる。

 ■材料費高騰に加え…

 「閉店」の一報を聞きつけて訪ねた野桜本店は、JR静岡駅から徒歩約20分、茶問屋が軒を並べる通りにこぢんまりと店を構えていた。「わさび漬」「野桜」と染め抜かれた風情あるのれんと旧家のたたずまいは、歴史と伝統を感じさせる。本店以外での店頭販売は行っていない。「不便なところなのに、わざわざ足を運んでくださるお客さまには感謝しかありません」と野桜さん。

 4年前までJR静岡駅の駅ビルに出店しており、静岡ならではの土産物として人気を集めていた。そのほか、全国各地の有名百貨店のコーナーやイベントに商品を提供しているため、生産量は決して多くないのに県内外での知名度は抜群だ。

 「野桜のわさび漬」は、保存料や香料を一切使わず酒かすとわずかな調味料で漬け込む伝統的な製法を守っている。ワサビの中でも茎より辛い根の部分を多く使うことで、辛みと香りが強く、市内に数多いわさび漬け専門店の中でも「野桜が一番」というリピーターは絶えない。

 野桜さんは平成12年に父が経営していた同店に入り、22年に頼みの父が倒れてしまったことで6代目として後を継いだ。

 「うちのわさび漬は辛みと香りが特徴なんです。でも最近、根が大きくて辛みが強い理想のワサビがなかなか手に入らない。価格も5年前から3割ほど上昇しました」。そこに10月に予定される消費増税が追い打ちを掛けた。わさび漬けは食料品なので税率8%のままだが、増税に対応するシステム改修は必要で、包装材や送料の値上げが見込まれる。

 ■ブランド継承に期待

 そもそも売り上げがじり貧で、数年前まで1億円を超えていたが昨年は7000万円を割り込んだ。老朽化した工場の設備投資はままならず、今後見込まれる衛生基準の改正などに対応できない可能性もある。これらの理由から野桜さんは「続けたいけれど続けられない。潮時かもしれない」と閉店を決断した。

 主力商品の「わさび漬」は90グラムで756円。「わさび漬は普通の家庭の食卓に上るもの。値上げすれば一般消費者の手に届かないものになってしまう」(野桜さん)と、値上げは考えなかった。確かにわさび漬けは静岡県民にとっては身近なもの。ご飯の友であり、おつまみであり、豆腐やはんぺんに乗せたり、さまざまにアレンジして味わう食材でもある。

 同店はすでに生産調整に入っており、9月4~10日に高島屋横浜店で行うイベントが最終販売の場となる。

 もっとも、多くの顧客に長年親しまれてきた「野桜のわさび漬」の存続を諦めたわけではない。店舗と工場は8月末で閉じるものの、会社組織は残すことにした。野桜さんが父から教わった匠の技も失われるわけではない。

 「どこかに事業継承してもらい、製造技術を持つ私一人で対応できる規模で続けられれば」と、野桜さんは江戸の昔から代々受け継いできた伝統の味を令和からさらに次の時代へと伝えてくれる継承者の出現を心待ちにしている。

(静岡支局 田中万紀)

 ◆わさび漬け 日本固有の植物であるワサビの栽培は、400年以上前に安倍川上流(現在の静岡市葵区有東木=うとうぎ)で始まったとされる。わさび漬けは、駿府(現在の静岡市)の商人が約260年前に、塩漬けして細かく切ったワサビに酒粕を混ぜるレシピを考案して売り出したと伝わる。明治22年に開業した静岡駅で車窓から乗客に販売され、全国に知られるようになった。平成30年には「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産に認定されている。


引用:静岡市の名産わさび漬 創業160年の老舗が閉店へ








 
PR