【点描・永田町】堀内ワクチン担当“解任説”の訳 ニュース 2022年03月24日 0 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染拡大の要因の一つとされる、高齢者らへの3回目ワクチン接種の大幅遅れで岸田文雄首相への批判が強まる中、永田町では堀内詔子ワクチン担当相の“解任説”が広がっている。 堀内氏の“本業”は五輪担当相で、昨秋の東京五輪・パラリンピック閉幕に伴い同ポストの3月末廃止が決まっており、首相も堀内氏を閣僚から外す意向とされるからだ。その場合、堀内氏が兼務するワクチン担当相が宙に浮くことになり、首相は実質的にワクチン対策を仕切る後藤茂之厚生労働相か、コロナ担当を兼務する山際大志郎経済財政担当相に任せる方向で調整を進めるとみる向きが多い。 ただ与野党を問わず、閣僚としては未知数だった堀内氏を、コロナ対策のカギともなるワクチン担当に起用した首相の責任を問う声が強まっている。臨機応変な答弁ができず、官僚メモの棒読みばかりで立ち往生する場面が目立つ堀内氏は、野党側の追及の格好の標的で、「もはや首相も守り切れない」(自民国対)のが実態だからだ。そもそも与党内では「堀内氏の閣僚起用は総裁選での貢献に報いる典型的な論功人事」(自民長老)との見方が支配的。政権内部でも「指導力が疑問視される堀内氏になぜ、極めて重責のワクチン担当を兼務させたのか」(有力閣僚)などと、閣僚人事での「首相の判断ミス」(同)との指摘が相次ぐ。◇「岸田派プリンセス」への情実人事? 堀内氏は2012年衆院選の山梨2区で初当選し、現在4期目。首相は自民総裁選勝利を受けた組閣で、同じ当選4回組の小林鷹之経済安保担当相、牧島かれんデジタル相と堀内氏の3氏を「若手起用」による目玉人事としていた。ただ小林、牧島両氏と違い、堀内氏は「初当選時から首相のお気に入りで、自民党内で1、2位を続ける党員獲得数で、岸田総裁実現にも大きく貢献した」(岸田派幹部)ことが、抜てきの理由だとされる。そもそも堀内氏は政界でも「超上流階級の出身」(同)として知られる。父方の祖父は日本開発銀行総裁などを務めて「財界四天王」と呼ばれた小林中氏(故人)。さらに母方の祖先は明治の元勲・大久保利通で、麻生太郎副総裁とも縁戚関係という華麗な家系だ。 堀内氏自身も幼稚園から大学まで学習院。大学時代は秋篠宮皇嗣殿下の同期生で、当時皇太子だった現天皇陛下のお妃(きさき)候補として名前が挙がったこともある。そんな「究極のお嬢様」が政界入りしたのは、義父の堀内光雄元通産相(故人)の政界引退に際し、光雄氏の選挙応援で大活躍した堀内氏を地元後援会が後継者に強く推し、これに応えたためだ。当選後は「極めて真面目で人柄も良く、誰にも好感を持たれる女性政治家」(自民幹部)との評価から、総裁選告示でも麻生派最高幹部の鈴木俊一氏(財務相)と共同届け出人となり、「岸田派のプリンセス」(同)と呼ばれるようになった。 首相にとって、堀内光雄氏は宏池会(現岸田派)領袖(りょうしゅう)も務めた大先輩で、しかも鈴木財務相の父の善幸元首相が宏池会領袖時代の最側近。このため堀内氏の存在が、総裁選での麻生派との連携強化にもつながったとされる。首相は総裁選での女性閣僚積極起用の公約も踏まえ、側近の堀内氏を抜てきしたが、五輪担当相だけでは途中退任が既定路線化することから、ワクチン担当兼務で「格上げしたのが真相」(同)とされる。 ただ、これが「ワクチン接種を軽視していた証拠」(自民長老)との疑念につながり、「情実人事の果てのワクチン担当解任」(同)となれば、首相の任命責任も問われて、求心力低下につながる可能性が少なくない。【政治ジャーナリスト・泉 宏/「地方行政」3月14日号より】。 引用:【点描・永田町】堀内ワクチン担当“解任説”の訳 PR